ファミ通Appの記事に見るイングレスの秘密。
ファミ通Appにナイアンティック川島さんのインタビューが掲載されていて、これまでの記事にはない色々な情報が出ていたのでまとめます。「独占スクープ」とか書いてるからどれが独占なのよ、と見たら結構独占でしたw
ファミ通Appの記事に見るイングレスの秘密。
【独占スクープ】『Pokémon GO』の基盤となる位置ゲー『イングレス』の今後を開発陣に直撃 [ファミ通app]
Pokemon GO!について
最初にポケモンGO!の話から。
――『Pokémon GO』の開発は順調ですか?
川島 内部的にもエンジニアをどんどんハイアリング(採用)しているところで、投資の面では任天堂さんやポケモンさんのサポートもいただきながら、『Pokémon GO』の開発に力を入れています。
以前30人となっていたNinantic,Inc.ですが、ポケモンGO!の開発者を採用中とのこと。
有料課金アイテムについて
ここでもNiantic,Inc.の有料課金アイテムについての考え方が述べられています。
川島さんの弁。
ストア導入に当たってまず、大前提になったのがゲームの世界観、バランスを崩さないこと。そして、お金をいっぱいかけたユーザーが強くなるシステムには絶対にしないことと、広告も世界観を壊すような形では入ってこないようにすること。
この辺りはさんざん語り尽くされた所ですが、今のイングレスの動きを見ると、アプリ内課金をpay4win(課金者が勝てる仕組み)にして収益を上げる、という一般的なスマホ課金ゲームの手法は取らずに、イベントやグッズ販売などの、モノ・人が動く方で売上をあげ、企業コラボで利益を取る感じがします。
また、ポータルフラッカーについて、はやはりコミュニケーションの活性化を意図して作られたものだそうです。
ストアを導入するときに懸念されていたのは、単純にXMPやバースターなどをお金で買えるようなったら、人は外に出なくなってしまうだろうという点でした。
そうならないためにも、目的のポータルまで行く必要があるものにしたかったんです。
また、ポータルフラッカーの効果は、対象のポータルをハックするみんなにあるので、「ここは俺のおごりだ」って感じで、敵味方問わず、たくさんの人が集まればいいな、と。
ちょうど有料課金アイテムが発表になった頃に僕はこんな記事を書いています。
記事の中のFevgamesの考察・試算の通り、ポータルフラッカーは自分で買って有利になろう、という使い方が出来ない(10分または150回ハックの制限が使い切れない)アイテムなので、Nianticが「有料課金アイテムでガッツリ儲けよう!」というよりも、「今日はオレのオゴリだ。楽しくやんな」という意味合いが強いアイテムだと思いました。
今回のingressの「有料課金アイテム」って実はちょっと違うんじゃないの?という話。 | charingress.tokyo
想像していた事がこのインタビューで裏打ちされたのはちょっとうれしい話でした。
ポータル申請について
ポータル申請、現状の停止状態などについての言及があります。
――現在中断しているポータル申請の再開はいつでしょう?
川島 現在アクティブになっているものが、おそらく世界で500万程度。待機状態にあるのも同じく500万件くらい、もしかするともっとあるかもしれません。
いま、それを順次処理している状態で、我々としてはポータルの質を重視していかないといけない時期に来ていると感じています。
この辺りは再開プロジェクトはあるんだと思いますが、ナイアンティックのGoogle(アルファベット)からの独立による体制維持の問題もやっぱりありそうです。将来を見据えて一旦停止した、という話でストップしましたが、現時点では「質の問題」と現存ポータルを刈り込むかも、というニュアンスになっていますし・・・。
アナウンス当時にあった「ポータル密度の薄い地域を優先」という話はまだイキのようですね。これは今後のイングレスユーザーの増加を考えると必須の条件です。
川島 申請されたポータルはスタッフがストリートビューを使い、いろいろな方向からチェックしているのですが、なかにはきちんと確認しきれていないこともあるので、今後は審査をしっかりしていきたいと考えています。
やっぱりストリートビューですか。いろいろな方向と言っても・・・山奥とかは難しいですねぇ。
Google社内ベンチャー時には社内協力的に100人規模でいた審査体制はどうなってるんでしょう?
イベント
アバドン沖縄で急遽併催されることになった「GORUCK」の話題。
あ、ちなみに、ゴーラック以外にもやってみたいですよね?
――ぜひやりたいですね!
川島 しっかり聞き届けました!
日本では脱出ゲームや謎解きが流行っているので、それらの要素を組み合わせて国内向けのイベントも考えていきたいですね。
イングレス公式イベントは、大別するとXMアノマリー・ミッションデイ・ファストサタデー・#NL-1331の4種類。
この内#NL-1331は日本未開催ですし、GORUCKイベントは米国のみの準公式的なイベントでした。
つまり、日本独自のイベントが準公式的にシリーズ化される可能性もあって、それがグローバル開催される可能性もある、ということですね。
ユーザー要望の取り込みに貪欲なNiantic,Inc.
面白いな、と思ったのが、これらやり取り。
――キーロッカーはドロップしない、購入したエージェントだけのものです。私の場合、活動地域別にキーロッカーを使い分けているのですが、それらに名前を入力できれば管理しやすくなると思うんですよね!
川島 あ、それはおもしろいですね!
その機能が実装できるよう必ずエンジニアにも伝えます。
――これは提案ですが、たとえば、MU値の高い巨大なCFを破壊したときにカウントされるような実績メダルはどうでしょう? 郊外のほうが狙いやすくなると思うので、遠方でも足を伸ばすエージェントが増えれば、地域活性にもつながるのかな、と。
川島 なるほど、それはおもしろいですね! その案もぜひ、フィードバックさせてもらいます。
インタビュアーのエージェントっぷりも相当ですが、それを面白い!と言える気質はすごくいいですね。
実際ingressというアプリは過去からユーザーの改善要望をいっぱい取り入れてきた歴史があります。
ingressアプリの進化のリスト。 | charingress.tokyo
このインタビュアーの方がガチエージェントだったのでこういう風に話が進んでいますが、僕らももっと上手に要望をNIAに伝えるとイングレスはもっと面白くなるかも知れませんね。
しかしこのファミ通Appの記事は良記事でした。あとは「ファミ通」って何の略かがもっと世間に知られるといいなぁ・・・。
コンビニ行ったら男子中学生たちの「そういえば週刊ファミ通の『ファミ』って何だろ」「音階じゃないよな、ゲームの雑誌だし」とかいう会話が聞こえてきて目の前が真っ暗になった
— 機械仕掛 (@kikaijikake) 2015, 9月 4