ポケモンGOがらみの証券レポートからNianticの株式シェアを予想する。

ここ数日ポケモンGO関連の報道って凄いですね。そのあおりで証券会社からも任天堂のレポートなどで収益予想などが出てくるようになりました。以前一度「フジテレビはイングレスを好きにできる？出資比率を試算してみた。」というエントリでNiantic,Inc.の株主構成を予想してみましたが、色々数字が出てきたので再度トライしてみます。

ポケモンGOがらみの証券レポートからNianticの株式シェアを予想する。

前回は任天堂・ポケモン・Googleの出資額がかなりNiantic,Inc.に取って大きい金額だ、という前提で試算しましたが、証券会社アナリストはそうは見ていないようです。

野村證券のレポート

ポケモンGOで任天堂の株価が大噴火した直後に、野村證券のアナリストレポートが「そんなに任天堂には利益落ちてこないよ」という内容だった、ということを受けて一時株価は戻しました。その時の内容は以下のとおりと伝えられています。元のレポートは見つけられませんでした。

野村証券アナリストの山村淳子氏は１１日付のリポートで、ポケモンＧＯの月商が５０─１００億円とした場合、任天堂の経常利益の押し上げ効果は年間約１０─２０億円になると試算。「市場が同タイトルの利益貢献のみを考慮しているならば反応は過度な印象だ」と指摘する。

訂正：アングル：「ポケモンＧＯ」人気爆発、任天堂復活には期待と不安 | ロイター

この野村證券レポートを前提で大きい方の数字を取って考えると、月商100億円＝アプリ課金100億円/月、を意味すると思われますので、Google Playstore/iOS AppStoreでそれぞれ30%抜かれて70億円/月（強気だな・・）。Nianticの売上が年840億円、という試算ですね。
そして任天堂の経常利益押上額が20億円・・・・つまり売上の2%ぐらいしか任天堂に来ない、ということになります。

ここでの数字が月商で任天堂は年間で、また途中の数値（Nianticの年間利益額とか）がすっぽ抜けなので細かいところはほとんど分かりませんが、1つだけ分かるのは（日本の会計処理と同じだとして）任天堂のNianticの最低シェアはこの2％だ、ということくらい。

Nianticのこの想定売上が仮にあってた場合、この規模はさすがに想定を超える売上だと思いますのでほとんど利益に回ると思います。最低でも半分以上。
ざっくり400億で考えて、年間20億が任天堂に落ちるならシェアは5％前後、ということですね。

まぁそれでもシリーズA出資額27億円の1/3、８億円弱だとしたら投資としては成功ですけどね・・。任天堂が32％強持ってる株式会社ポケモンのリターンもありますし。
今の「ポケモンGO以前」から倍になった株価は説明付きませんが・・・。

ドイチェ証券のレポート

別途頂いたレポート。ここではドイチェ証券内の試算シェアが記載されています。（凄い！）

As the market now broadly understands, Pokémon Go has been developed by a studio in which Nintendo has a minority stake, a company that received its Series A start-up funding in 4Q15. We assume for modeling purposes that Nintendo owns an effective 13% stake in Niantic between itself and its 32% ownership in Pokémon Company.

（市場が理解しているように、ポケモンGOは任天堂がマイノリティ出資している開発スタジオの手によるもので、我々の試算ではこの会社への2015年4QのシリーズA出資について、任天堂が既に32％株主のポケモンとの実効シェアが13％くらいだと見ている）
Deutsche_7974_20160718_Nintendo.pdf

お・・・ポケモンと合同で13％・・・半々だと7%ずつですか。このドイチェのレポートの13％をベースに、Googleと合算で20%と考えると以下のようになります。

前に作った表はこちらです。

フジテレビはイングレスを好きにできる？出資比率を試算してみた。

前回の表から、別途あらわになったシリーズA出資者の名前などを足してみました。最初にGoogleの出資はなかったことにすると、マイルストーン後も経営陣シェアは7割弱ある、ということになるのかな・・・？

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